タフなタイムピース、極限環境下で活躍する10の時計(前編)

機械式時計というのは繊細な機械構造を持つピースで、適切な注意を払わないと精度に問題が出てしまうことがある。磁場の影響や極端な温度変化、そして衝撃などが時計に対するリスクとして考えられる。ここでは、極限環境下で活躍するタフなタイムピース10選を前後編に分けて紹介する。 ジャガー・ルクルトの「マスター・コンプレッサー・エクストリーム・ラボ2」のヒゲゼンマイ周りにはセーフティーバンドが装備されており、衝撃を受けた時にヒゲゼンマイの動きを制御する役割を持っている。ヒゲゼンマイ自体はシリコンで作られており、その重量は金属製ヒゲゼンマイのわずか3分の1しかないため、衝撃によるダメージを受けにくい。チタン合金TiVan15で出来ているインナーケースとアウターケースもまた、衝撃を吸収する構造となっている。 
 オメガ「シーマスター アクアテラ “15000ガウス”」は、耐磁性を驚異的に強めることによって、ロレックス” title=”ロレックス”>ロレックスのミルガウスなど、他の耐磁時計を凌ぎ、2013年に発表された段階で、最も耐磁性を誇った時計である。このマイルストーンで要となるのは革新的なムーブメント、シリコン製のヒゲゼンマイやニッケルリン合金のテンプなどの部品を採用し、ほとんどスティールを使わずに組み立てられたオメガのコーアクシャルキャリバー8508だ。 「モナコ24 キャリバー36」のためにタグ・ホイヤーは、「アドバンスト ダイナミック アブソーバー システム」を開発した。ムーブメントは角型ケースの四隅から吊り下げられている状態であり、これによりムーブメントへの衝撃を吸収することができる。ムーブメントの振動部分を覆う4カ所のプラスチック製カバーが、ムーブメントを外部からの衝撃から守り、1~10Hzの振動に対する耐性を確保している。 IWC「パイロット・ウォッチ・ダブル・クロノグラフ“トップガン”」は「ファラデーケージ」と軟鉄製インナーケースを採用することによって、磁場の影響からムーブメントを保護している。 激しいロードレース下でも装着できる時計として作られたコンプリケーション搭載の時計。それがリシャール・ミル「RM 036 トゥールビヨン Gセンサー・ジャン・ドット」である。この時計はブランド名にその名を冠する熱狂的なレーシングファン、リシャール・ ミルとフランスのモータースポーツ界の著名人ジャン・トッドの協力によって考案された。トゥールビヨンのムーブメント、慣性モーメントを調整可能なフリースプラング式のテンプ、ギアボックスに着想を得た「ファンクションセレクター」に加え、この時計には特許取得の機械式Gセンサーシステムが搭載され、急激な減速時に、時計を着けている人がそれがを確認できるようにデザインに組み込まれている。これによってドライバーは、危険な速度領域だということを認知することができるのである。