デザインキング、ロレックス「デイトジャスト」(前編)

2016年にバーゼルワールドで発表されたロレックス” title=”ロレックス”>ロレックスのデイトジャストは、同じロレックスのデイトジャストIIに比べて、かなり異なっていた。同じようなデザインの特徴が、ロレックスを他のブランドに比べてその違いを際立たせている。その詳細を見ていきたい。 フルーテッドベゼル、日付表示上にある、ギリシャの神キュクロプスのようなひとつ目の拡大レンズ、そしてオイスター ブレスレット。新しい「デイトジャスト 41」は、他の多くのロレックスのモデルと同じ特徴を備えている。そしてこれらのデザインの特徴こそが、ブランドの成功の秘密であるといえよう。毎年ロレックスは約80万本の時計を販売し、約43億9000万USドルの売り上げを計上、高級時計のマニュファクチュールとして最も成功した地位を確立させている。 この違いの礎石となったのは、ロレックスの創業者、ドイツのクルムバッハ出身のハンス・ウイルスドルフがブランド名を1908年に商標登録したことに端を発する。彼は腕時計に早くから着目し、短期間にやるべきことを決めていった。例えば腕時計は懐中時計よりも精度が良くないという評判である。これに対してウイルスドルフはロレックスの腕時計を高精度に仕上げ、C.O.S.C.を取得した。ウイルスドルフはまた1926年に、巻き上げ用ねじ込み式リュウズを備えたオイスターケースで防水腕時計の特許を取得し、1931年には自由に回転するローターを備えた初の自動巻き上げ機構オイスターパーペチュアルでも特許を取得している。これらふたつの機能により最上の腕時計が生まれた。そしてロレックスは精度、防水性、自動巻き時計における技術的なリーダーとしてブランドのポジションを確立したのである。これらの成功とともに、ロレックスはダイバーズウォッチの開発を進めることとなる。同時に、高品質と高精度を確実に保証する組織作りにも取り組んだ。



 しかしデザイン面での定評がなければ、これらの努力もブランドにとって長く続く成功への導きとはならなかったであろう。ひとつテストをしてみよう。ロレックスを思い出したときに、どのようなスタイルの特徴や要素があなたの目に浮かんでくるだろうか? 日付表示の上にあるサイクロップレンズ、「メルセデス」と呼ばれる針、バーインデックスとサーキュラーインデックスを備えた文字盤、それともオイスター ブレスレットだろうか? もしくはフルーテッドベゼルや、ジュビリーブレスレットだろうか? ロレックスの時計を特徴付ける独特な要素はいくつもある。
 ではもうひとつテストをしてみよう。例えばジャガー・ルクルトやオメガなど、他の時計をイメージしたときに何が浮かんでくるであろうか? デザインアイコンをコレクションに持つ有名なブランドは、通常ひとつかふたつ、絶対的なスタイル要素を持っている。多くの場合、それはケース形状である。ブランドの中には、独自のデザイン的特徴を持っておらず、いくつかのスタイル要素を組み合わせることによってのみ認識されるものもある。(続く)