本田雅一、ウェアラブルデバイスを語る/『Apple Watchの市場規模』

テクノロジーの分野で、スーパーコピーブランド知らぬ人はいないほどのジャーナリストが、本田雅一氏だ。その本田氏が、Applw Watch Series 4について引き続き語る。 売れようが売れまいが、感性によって選ばれるべきなのが嗜好品というものだ。世の中でApple Watchが売れているという声を聞けば、むしろ“それ以外”が欲しくなるという方も少なくないだろう。まったく同感ではあるが、それは“腕時計は嗜好品である”という前提の下でしか意味をなさない。 たとえば僕が最も使っている腕時計はオメガ「スピードマスター」だが、今日の服装には合わないからとグランドセイコーを選ぶかもしれない。あるいは安価なプラスティック成型のポップカラーな腕時計を選びたいと思う日もある。 嗜好品とはそういうものだし、ファッションの領域に近付くほど多様性が求められる。だからこそ、スマートウォッチというファッションに寄せてきているようでいて、やっぱり機能や性能で勝負するジャンルに戸惑わざるを得ないわけだ。 しかし消費者は少しずつだが、嗜好品としてのWatchではなく、実用品としてのWatchに目を向け始めているようだ。 前回のコラムでApple Watch Series 4について緊急実機レビューを実施したが、その後、Apple Watchは過去最高の売れ行きを見せているようだ。アップルの正式な発表はないものの、店頭やオンラインストアでの在庫は不足しており、フル生産でも需要に追いつかないため、アップルは追加の生産パートナーとの契約を進めていると噂されている。 この噂に驚かないわけにはいかない。 なんだかwebChronosらしくない調子で書き始めてしまったが、Apple Watch Series 4は初のフルモデルチェンジとも言える内容で、従来機からの買い替えも含めて需要が大きくなることはあらかじめ予想されていたため、生産キャパシティも大きく取っていた。その数は、2018年中の出荷分だけで、おおよそ1700万〜1800万本と見積もられている。 それでもまったく供給が追いついていないのだから、生産能力の増強へと向かうのは当然だろう。もっとも、年内に増やすことができたとしても100万本程度。来年以降、どのような計画で生産するかは、いったん商戦期が終わる年末に見直すことになるだろう。 その際、さらなる増産に向かうのか、それとも現在の生産規模を維持するのかは分からないが、ここで前回のコラムにおける最後の段落を今一度、読み直してほしい。—
昨年末にSeries 3が発売された際には3カ月で約800万本を売り(IDC調べ)、スマートウォッチというジャンルでは世界シェアが61%に達したという。今年、その記録を破ることは間違いない。
しかし、彼らが次に狙うのは“手首という不動産”に腕時計を巻いていない、いわば空き地を攻略することではないだろう。腕時計を巻くことを習慣としている消費者層。アップルは本格的に、“その場所”を奪いにきている。
—  つまり、昨年あれだけ騒がれていたApple Watch Series 3の2倍以上の数を用意しても不足するほど、Apple Watchが売れているのだ。これだけの数は「腕時計をしていなかった人たち」だけでは出荷できない。「腕時計をする習慣のある人が、Apple Watchを買い始めていると考えるべきだろう。 あまりに数が多いため、その規模をなかなか把握しにくいが、2017年、すなわち昨年1年間でアップルが販売したApple Watchは総計で1800万本前後という数字を、IDC、Canalysとも出している。年末の3カ月だけで800万本という数字を考えれば妥当なものだろうが、もしアップルが生産力をフルに稼働させ、2社目の生産パートナーの立ち上げも順調に進めたとしたら、流通在庫を加味したとしても、昨年1年で売ったApple Watchを上回る売り上げを、Apple Watch Series 4発売以降の3カ月あまりでたたき出すことになる。 Apple Watchの売り上げは、新モデルが発表されたあとの第4四半期に集中する電子機器特有の売り上げパターンに当てはまるため、必ずしも年末商戦の勢いが翌年以降も続くとは限らない。しかしながら、おそらく今年はスイス製腕時計の出荷本数全体をApple Watchが(売り上げや営業利益ではなく本数ベースではあるが)抜いてしまうのではないか。というのも、スイス時計協会の統計値を見る限り、ここ数年、スイス製腕時計は年間の出荷本数が2400〜2500万本程度で安定しているからだ。 もちろん、1本あたりの単価や、そもそものコスト構造の違いなどがあるため、同じように「Watch」と表現される製品であっても単純に比較はできない。 しかし、Apple Watchの規模を感じるためのひとつの目安にはなるはずだ。