本田雅一、ウェアラブルデバイスを語る/第2回『スマートウォッチとはいったい何か?』

 テクノロジーの分野で、知らぬ人はいないほどのジャーナリストが、本田雅一(ほんだ・まさかず)氏だ。その本田氏が、腕に着ける装置「ウェアラブルデバイス」を語る。第2回目は、『スマートウォッチとはいったい何か?』である。  スマートウォッチとはどのようなプロダクトなのか。 当初、僕はスマートウォッチにはふたつの方向があると考えていた。今から思い起こすと青臭く照れくさい面もあるが、まぁ、人とは成長するものだ、ということで失笑を浮かべながら読んでほしい。 ひとつは従来の腕時計をスマートフォンとリンクさせることで、いっそう利便性が高く機能的なプロダクトに仕立て上げるという方向性だ。ネットと常に交わり、インターネット上の標準時計と同期するスマートフォンはタイムゾーンやサマータイムも当然のように自動認識してくれる。時計として考えるならば、時刻の自動修正は大きな訴求点になろう。さらにアラームや世界時計の機能も備え、メールやSMSなど重要な情報を受け取ったとき、腕時計に通知が与えられれば便利なはず、と漠然ながら考えていた。前回、紹介したフォッシル「Q」シリーズのハイブリッドスマートウォッチは、まさにそうした時計のはしりと言える。“腕時計の進化としては、まさに王道とも言える方向性だが、時刻の自動修正はGPSウォッチでも可能であり、メールやメッセージの受け取り通知などは主要機能ではなく、あくまで“傍流”と言えなくもない。 もうひとつ考えていたのが、スマートフォンの“一部”を切り取って手元に持ってくる製品がスマートウォッチ、という考え方だ。今やスマートフォンという装置は、生活を彩る便利な道具から、公共サービスを含めさまざまな社会基盤とつながる重要なインフラに変化した。そうした中で、スマートフォンの持つ機能や能力を、別の装置で利用したいというニーズが生まれたとしても不思議ではない。すでに開発が中止されたが、メガネ型コンピューターの「Google Glass」もそうした製品のひとつだった。スマートフォンの普及により、人々が揃って街中や公共交通機関の中で下を向いてデバイスを操作している様子を見て、Googleは「上を向いて歩く」ための装置を開発したという。