知られざる高耐磁時計の真価 Part.3

高い耐磁性能が評価される現行ミルガウス。その名の通り、1000ガウス(=8万A/m)という超耐磁性に特徴がある。
だが、この時計の美点は、性能もさることながら、時計としてのパッケージングにもある。
インナーケースを持つ超耐磁時計は、普通の時計に比べて大きく、厚くなりがちだ。
しかし、ロレックス” title=”ロレックス”>ロレックスは、ミルガウスという超耐磁時計を、常識的な厚さと重さに留めることに成功した。 1950年代半ば、各社はそろって超耐磁時計をリリースした。IWC「インヂュニア」、オメガ「レイルマスター」、そして、ロレックス「ミルガウス」。いずれもムーブメントを軟磁性体で覆い、超耐磁性を与えた時計である。しかし、IWCを例外として、各社は耐磁時計の生産をやめてしまった。理由はいくつかあるが、最も大きな原因は、インナーケースを持つために、時計が大きく、重くなる点にあった。磁気を避けるために大きく重い時計を持つ。磁気にさらされる環境で働いているならともかく、普通の消費者には耐えられないことだったに違いない。 2007年に発表された新しい「ミルガウス」は、耐磁時計としては相対的に薄いケースと、優れた装着感を実現した時計である。編集部による実測値は厚さ13.4㎜、重さ156g。超耐磁時計にもかかわらず、サイズや重さは常識的な範囲に留まった。 ただし、時計に超耐磁性を与える手法は、かつてのミルガウスに同じである。ムーブメントを覆う「強磁性合金」が何かは不明だが、1000ガウス(=8万A/m)を意味する「ミルガウス」という名称にもなった高耐磁性は、現行品では最も高いもののひとつだ。加えて、この時計は搭載するムーブメントにも耐磁性がある。ニオブとジルコニウムの特殊合金であるパラクロム・ヘアスプリングは、従来のインバー系ヘアスプリング(ニヴァロックス1)に比べて、より高い耐磁性を持つ。磁気シールドがあっても磁気がムーブメント内部に浸入していると考えれば、ムーブメント部品も耐磁性に優れているに越したことはないだろう。 実用性と超耐磁性を両立した新型ミルガウス。「食わず嫌い」のユーザーは多いようだが、実用品として考えると、これはお勧めできるロレックスの最右翼である。

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