ブラックアウト:16のブラック・オン・ブラックモデル(前編)

ここ近年の時計のカラーのトレンドはブルー・オン・ブルーだけではない。「オール・ブラック」ウォッチのエボニーカラーのケース、文字盤、そしてストラップという組み合わせも一般的になりつつある。量産される高価ではないものから、ハイエンドまでほとんど全ての時計ブランドが、少なくともひとつのブラック・オン・ブラック モデルを製作している。近年発表された16の特筆すべきブラック・オン・ブラックの時計を紹介していこう。 オーデマ ピゲのロイヤル オーク オフショア・ダイバーはロイヤル オーク オフショアの誕生20周年を記念して、グランドコンプリケーションとクロノグラフとともに「ロイヤル オーク オフショア」コレクションに投入された。ダイバーズウォッチとしては3モデル目、ケースは300m防水である。セラミックスをケースに採用し、ベゼルと操作しやすいリュウズも同素材製だ。この素材はスティールより7倍硬く、傷がつきにくい。 1950年代のヴィンテージダイバーズウォッチから着想を得た、ブランパン「フィフティ ファゾムス バチスカーフ フライバック クロノグラフ」は毎時3万6000振動のハイビートな自社開発クロノグラフムーブメントを搭載する。これは、クロノグラフ機構の制御を伝統的で操作感に優れるコラムホイールで行い、かつ自動巻きと垂直クラッチを採用した現代の潮流に則ったクロノグラフムーブメントである。直径43.60mmのブラックセラミックケースにはサテン仕上げが施され、サンバースト仕上げのブラック文字盤を備える。 43mm径で3気圧防水のブライトリング「ナビタイマー・コスモノート・ブラックスチール」のケースは、アベンジャー・シーウルフ・ブラックスティールモデルと同じプロセスによって作られている。文字盤はケースのブラックカラーを踏襲し、蓄光処理を施したホワイトのインデックスと針、そしてクロノグラフ針とインダイアル針にはレッドカラーの針が採用されることによってコントラストを表現している。ブライトリング「ナビタイマー・コスモノート・ブラックスチール」には「オーシャン・レーサー」のブラックラバーストラップが組み合わされ、世界限定1000本で販売された。ブライトリングはこれまでに他にもブラックスティールを使ったモデルを多く発表してきた。 ジャケ・ドローは「グラン・セコンド パワーリザーブ セラミック クル・ド・パリ」の針にローズゴールドを使用することによって、カラーアクセントを加えた。文字盤にはクル・ド・パリ装飾が施され、ケースはブラックセラミックス製である。44㎜径ケースのケースバックには、個々にシリアルナンバーが刻まれている。ケースバックのサファイアクリスタルから約68時間のパワーリザーブを持つ自動巻きムーブメントが鑑賞できる。  数年前、ジラール・ペルゴはトラベラー ww.tc(World Wide Time Control)にブラックDLC加工を施したチタン製ケースという、変更点を加えた新作モデルを発表している。そのユーザーフレンドリーなワールドタイマーの新作はチタン製ケース採用で更に軽量化し、DLC加工により耐久性と耐傷性に優れる。文字盤の中央には、緯度経度が立体的に描かれた球体が配された。3時、6時、9時位置にはクロノグラフのサブダイアルとスモールセコンド、1時と2時位置の間には日付表示、そして12時位置にブランド名とロゴが組み合わされている。 「クラシック・フュージョン クラシコ ウルトラ-シン スケルトン オールブラック」のケースは大きめの45mm径だが、シャツの袖口に邪魔にならない8.15mmの厚みとなっている。ケースとベゼルに使用されているセラミックスはいずれもポリッシュ仕上げとサテン仕上げが施され、リュウズはポリッシュ仕上げされたブラックPVD加工のチタニウム、ミドルケースにはグラスファイバーを採用した。サファイアクリスタル製風防の内側、12時位置にはウブロのロゴが、文字盤にはブラックコーティングされたポリッシュ仕上げの針とインデックスと共に配されている。ストラップは、表面がブラックアリゲーター、裏面はブラックラバーが縫い合わされており、ポリッシュ仕上げとサテン仕上げが施されたブラックコーティングされたステンレスのフォールディングバックルが組み合わせられている。 IWCのアクアタイマーにおいて、ガラパゴス諸島の自然保護活動を行うチャールズ・ダーウィン財団とのパートナーシップを基に作られたのがこのIWC「アクアタイマー・クロノグラフ “ガラパゴス・アイランド”」だ。このRef.IW379502はブラック・オン・ブラックの外観にブラックラバーコーティングのケース、そして自社製キャリバー89365を搭載している。300m防水仕様で、ケースバックにはガラパゴス諸島に生息するウミイグアナの姿がエングレービングされている。 オメガ「スピードマスター ダークサイド オブ ザ ムーン」の名前は、二酸化ジルコニウムを使用したブラックセラミックスの文字盤と、サテン仕上げとポリッシュ仕上げの施された44.25mm径ブラックセラミックケースに由来する。インデックスとクロノグラフ針以外の針は18KWGで作られており、ブラック文字盤上で視認性に貢献している。ポリッシュ仕上げのベゼルはスピードマスター特有のタキメーターを備えており、ケースバックの“DARK SIDE OF THE MOON”という文字と同様に、マット仕上げの窒化クロムによって印字されている。時計のブラック・オン・ブラックの外観を仕上げるのは、セラミックバックル付きのナイロン製ストラップである。