手首を隠せ! 特筆すべきカムフラージュ・ウォッチ

最近のカムフラージュ柄は、屋外活動のためだけでなく、トレンドとしてその領域を広げ、腕時計のデザインの選択肢のひとつにもなってきた。ストラップと文字盤の両方に見られるこのミリタリーテイストの色合いは、今までであれば高級志向のウォッチメイキングの世界とは結びつかないはずだった。しかし現在では、ミリタリーテイストと洒落たスタイルの境界が交錯するデザインを探す者にとって、魅力的な外観を持つものとして進化を遂げたのである。カムフラージュを採用するブランドは次から次へと増えていき、時計業界という森の中で迷ってしまいそうなほどである。そこで今回は、過去数年に発表された中から、特筆すべき6モデルを紹介する。  2018年のSIHHでオーデマ ピゲは、多くの新作を発表した。中でも特に注目を集めたのが、カムフラージュのストラップ、カーキグリーンのセラミックベゼル、それにベージュの文字盤を合わせた「ロイヤル オーク オフショア・クロノグラフ」である。ストラップは完全にカムフラージュの外観であるが、そこにベゼルと文字盤のコンビネーションが特に際立っている。ベージュのカラーからクリーミーなカリスマ性が時計全体ににじみ出ていて、それがなめらかにブラウンのサブダイアルと森のようなグリーンのベゼルと調和しているのである。 ベル&ロスはカムフラージュレースの中で、2007年からブランドのラインナップの中心に、この特徴を打ち出してきた先駆者的な存在である。最新作は2017年夏に発表された「BR 03-92 ブラック カモ」である。ダークな文字盤には、マットなグレートーンのパッチワークで構成された、ステルス作戦に携わるエリート士官によって使われたのと同じようなミリタリーテイストのトリカラーコーティングを、独自に開発して採用している。マット仕上げの42mm径ブラックセラミックス製ケースを持つ時計は、暗闇ではほとんど感知されず、また光を反射することもないため、これもまた実際の作戦で役立つ要素のひとつである。セラミックスケース素材の採用には他の実用的な理由もある。全体的にほとんど傷がつきにくく、ステンレススティールより軽いにもかかわらず耐久性に優れ、アレルギーを起こしにくく、世界の中でも特に気温の高い戦闘地域で着用するのにも耐えうる耐熱性を持っているからである。100m防水のケースの中には自動巻きムーブメントBR-CAL.302(ETA2892-A2ベース)が時、分、センターセコンドそしてデイト表示というミッションをこなしている。完全に巻き上げた状態で約40時間のパワーリザーブを保持する。この時計にはブラックラバーストラップまたは「ウルトラ・レシリエント」ブラックファブリックストラップにブラックのPVD加工が施されたステンレススティールのピンバックルが付属する。 2016年に最初にバーゼルワールドで発表された、グラハムの「クロノファイター・ブラックアロー」はクロノファイターコレクションにミリタリーテイストの要素を加えた派生モデルだ。ブルー、グレー、ベージュそしてグリーンの4色展開となっており、文字盤外周にはテレメーター表示を備える。テレメーターとは、観察者と対象との間の距離を音速で測るものであり、本モデルは、時間と日付だけを確認する時計に比べ、実用的な機能を搭載している。47mm径のケースにセラミックスベゼルを合わせ、6時位置に30分積算計を備える。内部には、約48時間のパワーリザーブを持つムーブメントを搭載。 2017年にタグ・ホイヤーは、ブルー&グレーカラーのカムフラージュ文字盤を搭載したアクアレーサーを発表した。300mの防水性能を備え、自動巻きムーブメントのキャリバー5を搭載、43mm径ブラックPVD加工のチタン製ケースに反射防止加工を施したサファイアクリスタル製のフラットな風防が採用されている。落ち着いたスタイルとミリタリーテイストを融合させているブルー&グレーカラーの文字盤は、時計好きの冒険の友として最適であろう。 2017年、アノーニモはミリターレ・アルピーニにふたつのカムフラージュモデルを追加。文字盤がブラウンまたはカーキグリーンの2色展開であり、ギヨシェパターンがミリタリーテイストの外観にアクセントを加えている。43mm径の時計は一目で分かるアノーニモのミリターレ仕様で、12時位置のリュウズは特許取得のプロテクターで守られており、12時、4時、8時のアワーマーカーは大きく表示され、アルピーニの頭文字Aをかたどっている。時計の内部には、セリタSW260-1自動巻きムーブメントが搭載される。パワーリザーブは約38時間。ステンレススティール製ケースバックには、イタリアとスイスにまたがるマッターホルンのイメージが配される。ブラウンとカーキグリーンのいずれも97本の限定モデルだ。 今回のリストで唯一のドイツブランド、ジンは2016年にU1カムフラージュを500本限定で発表している。時計全体がビーズブラスト仕上げのドイツの潜水艦の鋼鉄Uボート・スティールで出来ており、1000mの防水性を持つ。ベゼルは特許取得の金属硬化技術であるテギメントを用いて硬化されており、傷がつきにくいようになっている。44mm径の時計には、グリーンシリコンのストラップが合わせられ、スペアのオリーブテキスタイルストラップも付属する。
本田雅一、ウェアラブルデバイスを語る/『独自のブランディングで勝負するフォッシル』後編 IN THE LIFE -食- この世ならぬ美味のクリエイター – 潔くも、奥深い思想が宿る御椀 高級時計を取り扱う全国の正規時計販売店をご紹介。各店が行うフェア情報やニュースもお届けします!その年の新作モデルや、機構、仕上げの完成度など、毎回決められたテーマの中から、優れた10本を時計ジャーナリストたちが選出します。クロノスドイツ版の人気連載「TEST」の翻訳記事。腕時計のデザイン、機能などをポイント性によって評価します!時計の部品、機構、ブランド名など、基礎から専門用語まで、広範囲にわたって解説します。時計の知識を深めるための用語辞典です。2018.08.202018.07.05