タフなタイムピース、極限環境下で活躍する10の時計(後編)

機械式時計というのは繊細な機械構造を持つピースで、適切な注意を払わないと精度に問題が出てしまうことがある。磁場の影響や極端な温度変化、そして衝撃などが時計に対するリスクとして考えられる。前編に続き、極限環境下で活躍するタフなタイムピース10選を紹介する。() ロレックスは、3900mの防水性を持ち、新しいケース構造によって厚みを10%以上薄くした「オイスター パーペチュアル ロレックス ディープシー」を2018年のバーゼルワールドで発表した。この時計は、厚さ5.5mmのドーム型サファイアクリスタル製風防、3.28mmのグレード5チタン製ケースバック、バイオデュール108スティール製インナーリングの3つによって圧力を緩和する要素としている。 ジン「UX.S.GSG9(EZM2B)」は、ケースの内部を液体で満たすことにより圧力によって負荷を軽減し、結果としてどのような水深でも圧力に耐えられる構造となっている。液体は温度が上昇すると膨張するため、ケースバックはふたつのパーツと膜によって構成され、内部が膨張した際に少しだけ外側へ広がるように出来ている。液体がテンプの振動に影響を与えるため、ムーブメントはクォーツ式を採用。ムーブメント自体にも特別なオイルが注油されており、-20℃から+60℃という極端な温度差の中でも駆動するようになっている。  最も防水性の高いモデルのひとつに、モントル・シャルメックス社が製造し、2009年に発表したCXスイスミリタリーウォッチの「20000フィート」と呼ばれるモデルがある。この時計は非常にがっしりとしたクロノグラフで、厚くカーブしたサファイアクリスタル製風防を採用している。風防を湾曲させることにより、圧力に対するサファイアクリスタルの耐久性を高めることができるためである。 ボール ウォッチは、暗所でも温度測定ができる「エンジニア・ハイドロカーボン TMT」を発表。搭載される特許取得のバイメタル温度計とは、異なるふたつの細い金属片を貼り合わせて熱を加えると、金属片が熱膨張率の低い方へとたわむ性質を利用した温度計のことである。-35℃から+45℃の範囲で測定が可能であり、計測値は夜光性の「マイクロ・ガスライト」(3H)を組み込んだ目盛り表示により暗所でも読み取ることができる。  過酷な環境下で活動するパイロットや冒険家たちは、ブライトリングの「エマージェンシー」を評価するであろう。1995年に発表されたブライトリングのエマージェンシーウォッチより、世界で初めての2帯域周波数ロケータービーコンを搭載した後継機である。大手の科学研究機関との連携によって開発されたこの時計は、充電可能なバッテリーと内蔵式のアンテナシステムを装備する。警報を出す際にふたつの周波数を発信して、遭難者が出た場合に救助隊が発見するための助けとなるのである。