Chronos 11月号(vol.79) 発売中

 1990年代以降、飛躍的に進化を遂げた機械式クロノグラフ。現代的な設計や新素材の採用によって精度は大きく改善された。さらに、かつては量産が難しいとされた複雑機構も見られるようになった。本特集では現代を代表する9モデルを取り上げ、独自インプレッションを通して、真の実力を明らかにする。 1996年の発表以来、パテック フィリップの屋台骨を支えてきた315/324系の年次カレンダー。3月1日以外はカレンダーを自動調整するという実用性に加え、優れたケースと文字盤は、愛好家が手にすべき、実用時計の条件を完全に満たしてきた。ここでは、20年以上に及ぶ、その全容と進化を詳らかにしたい。  時計産業と密接に結びついた“スイスエナメル”は、世界中にあるエナメル工芸の中でも特異な部類に入るだろう。家内制手工業的に発展を遂げてきたスイスエナメルの技法は、1970年代を最後にその伝承が途絶えてしまったという。現在作られているエナメルの多くは、さまざまな作家たちが独自に研究・復刻させた手法に則っており、その様相は決して一元化できるものではなさそうだ。しかし、そんなスイスエナメルを取り巻く環境の背後にも、インダストリアライゼーション=大規模工業化の波は押し寄せてきている。  「ロジカル・ワン」で世界を驚かせたローマン・ゴティエ。ジュウ渓谷伝統の職人技を大切にしながら、最新鋭の工作機械でクォリティも追求する。経営者であり、エンジニアであり、プロデューサーでもある彼の哲学と時計作りの手法は、まさに時計業界の“ニューウェーブ”そのもの。いつもの面々がその成長戦略に迫る。