ファーブル・ルーバ/フロンティアに挑み続ける〝ブルー3部作〟

 スイス・ジュラ山脈の南麓に位置するゾロトゥルンにエンジニアリングの拠点を構えるファーブル・ルーバは、280年を超える歴史だけに留まらず、現在最も先鋭的なR&Dに挑戦しているブランドのひとつ。往年の名作である「バシィ」の50周年に際して発表された“ブルー3部作”では、ユニークな機構開発に加えて、外装のクォリティも大幅にアップした。 ル・ロックルでのブランド創設が18世紀(1737年)に遡るファーブル・ルーバは、現存するスイスブランドの中でも屈指の歴史を誇る一社。そんな同社が時計史の中で華々しい成果を残したのは、1950〜60年代にかけてのことである。FL101に始まる自社製ムーブメントの積極的な開発や、ダブルバレル+センターセコンドの自動巻きといった、現代においてようやく一般化してきたフォーマットの大量生産にいち早く着手したのも同社であった。特殊機構に目を向ければ、アネロイド気圧計を応用した世界初の高度計付き腕時計「ビバーク」を62年に発表。同機構を水深計にアレンジした「バシィ」は68年に登場している。ちょうど今年は、バシィのローンチから50周年の節目だ。 ファーブル・ルーバの特殊機構開発は、概して極地探検の成果と共にあった。バシィ50周年に際して同社が注力した新作のテーマは、そうしたフロンティアスピリッツへの回帰。特に深海探検に目を向けた〝ブルー3部作〞だ。開発の主眼は、昨年の「ビバーク9000」に盛り込まれた新型アネロイドセルの応用。そして外装クォリティの強化である。 まずはフラッグシップとなる「レイダー・バシィ 120 メモデプス」。こちらの到達最大深度は200mまでだが、深度120mまで計測可能な機械式深度計を搭載。ベースムーブメントや深度計モジュールとは隔離された空間にチャンバールームを設けて海水をケース内に導入し、水圧によるアネロイドセル(嫌気性カプセル)の体積変化を深度に換算する方式だ。フリーダイビングにおける実用域である深度30mまでのスケールは他よりも細かく処理されており、さらに浮上時の減圧停止が必要となる深度10mと5mのマーカー
は、赤で描かれている。新しいバシィの水深計は二重になっており、センター針がリアルタイムな深度計測用、3時位置のインダイアルが最大深度の記録用に使われる。4時位置のスクリューロック付きプッシャーは、最大深度計のリセット用だ。 現行のレイダーコレクションで最大の防水性を誇るのは、深度300mに対応する「レイダー・ディープブルー」だが、今年追加されたミッドサイズの41㎜ケースでも同様の防水性を発揮。このケースは、「レイダー・シーバード」のデザインをベースにアップサイズした新作「レイダー・シーキング」とも共通となっているため、スペックシート上では10気圧防水となっているものの、実際には300m相当の防水性を発揮する。なお、この41㎜ケースから、ビール/ビエンヌのケースサプライヤー製を新規導入。一気に質感を高めた一因ともなっている。

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