ARNOLD&SON / ブラック&ゴールドが彩る〝時のピラミッド〟の立体感

 18世紀の時計師ジョン・アーノルドと息子のロジャーが手掛けたレギュレーターとスケルトンクロックを原点とする「タイム・ピラミッド」。主力モデルとして人気を博す同作に、限定のブラックエディションが追加された。 19世紀のスケルトンクロックからデザインの着想を得た「タイム・ピラミッド」に、ブラックDLCコーティングのSSモデルが追加された。 5時位置と7時位置にそれぞれ配されたふたつの香箱からパワーリザーブインジケーターへとつながる歯車、これらを底辺として12時位置の調速脱進機に向かって伸びる輪列をピラミッドに見立てた造形が印象的な同作。新作ではさらに引き締まった印象を与えるべく、ケースと地板をDLCによってブラックコーティングしている。この変更に併せて、各歯車と時分針はローズゴールドカラーが選択された。これまでのシルバー単色やシルバーとゴールドの組み合わせと比べ、よりカラーコントラストが強まるため、タイム・ピラミッドが重視してきたムーブメントの立体感を強調することに成功している。また、腕に載せた際に肌の色などでデザインが埋没しないよう、ケースバックのサファイアクリスタルにはグレーのコーティングが施されている。スケルトンモデルを多数手掛ける同社ならではの配慮だ。 なお、タイム・ピラミッドのデザインを形成するうえで根幹となるのがシンメトリーという考え方である。搭載するキャリバーA&S1615は約90時間のロングパワーリザーブを有するツインバレルで、香箱は左右対称に配置されている。さらに、パワーリザーブインジケーターもそれぞれの香箱に連結するかたちでふたつ有しているのだ。そしてひとつしかないリュウズはデザインを崩さないよう、6時位置に設けられるほどの入念さである。このシンメトリーというデザインコンセプトも、今回のカラーチェンジが時計全体に強いメリハリを与えたため、より際立った。配色の変更でタイム・ピラミッドの魅力をより強調することに成功したアーノルド&サン。その巧みなウォッチメイキングはさすがのひと言である。

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