遙かな高みに挑む 機械式高度計の先鋭「FAVRE-LEUBA」

 凄みを増す新生ファーブル・ルーバのR&D。名機「ビバーク」の名を受け継ぐ最新作は、機械式腕時計としては初めて、世界最高峰の頂きに届く高度計測性能を備えた。 2017年に創業280周年を迎えたファーブル・ルーバは、数あるスイスブランドの中でも屈指の歴史を誇る一社である。ご多分に漏れず、1980年代以降はブランドの所有者をいくつか変えたが、2011年にタタ・グループの手により再生。翌12年から専門のチームがR&Dに取り組み、アイコニックなハイスペック機を次々と打ち出している。その最新の成果が、海抜9000mまでの高度計測を可能とした「ビバーク9000」である。円盤の容器内に密閉された気体の体積変化を機械的に読み取って高度表示に置き換えるアネロイド気圧計が、腕時計に初めて搭載されたのは、1962年に発表された同社「ビバーク」において。その後2000年代になって、ブレーヴァ(設計はクロノード)などが同機構に挑戦してきたが、限界測定値は5000mに留まっていた。ビバーク9000で初めて、高度9000mまでの測定が可能となったことで、機械式腕時計で世界最高峰の山頂高度の計測すら可能となったのだ。
 ビバーク9000開発の陣頭に立ったのは、同社開発責任者を務めるパトリック・キュリー。エテルナ技術部門出身の氏にとって、エテルナベースのモディファイはお手のものだったろう。しかしアンティークウォッチのコレクターでもある氏は、かつてのファーブル・ルーバらしさを最新作の中に漂わせることも忘れていない。回転ベゼルの内側に備えられた14角形の風防リングと、ピロースタイルのケースは、新生ファーブル・ルーバを象徴するだけのアイコニックな魅力に溢れている。また、ケース内への大気誘導が不可欠となる機構にもかかわらず、きっちりと防水性を確保するあたり、現代的な実用性も併せ持っている。

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